猫が鳴いて困っている飼い主さんや、猫が鳴く時の心理を知りたい飼い主さんは多いのではないでしょうか。
今回は、そんな飼い主さんに知って欲しい猫が鳴く心理や過剰に鳴いて困っている時の対策など幅広く紹介します。
この記事を書いている私は、猫との生活歴39年間におよび、現在愛猫3匹と暮らしながらペット用品の監修やコンサルタント等の仕事を専門家として請け負っています。
そんな私が、猫が鳴く理由や心理について詳しく解説をしていきます。
猫が鳴くのはなぜ?
猫は生物学上、感情表現を示すために鳴く生き物です。
人が言葉を話すのをイメージするとわかりやすいのですが、猫も人と同じように鳴くことで感情表現をします。
なお、猫が鳴く主な理由には以下の9つがあります。
- 飼い主さんに対する要求
- 飼い主さんや他人に甘えたいとき
- 何かしらの不安があるとき
- 何かに怯えているとき
- 興奮しているとき
- 怒っているとき
- 心地よいとき
- 体に異常があるとき(痛みや痒み)
- 発情しているとき
鳴き方でわかる猫の心理や異常
ここでは、猫の鳴き方によって異なる心理や異常について紹介します。
猫の心理や異常に早く気づくことで、ストレス対策や病気の早期発見、猫との適切なコミュニケーションを図るのに役立つのでぜひ参考にしてください。
アオーンと鳴く時は不満があるか発情中
猫の「アオーン」という鳴き声には、低い音と高い音の2パターンがありますが、いずれの場合も不満やストレスを抱えているケースが多いのが特徴です。
その他、異常に大きな声で鳴き続ける猫や避妊・去勢をしていない猫の場合は発情中の可能性が高いでしょう。
オス猫の場合は、去勢手術をしていても10〜20%程度の確率で発情するケースがあるので、注意が必要です。
猫の発情期は、一般的に暖かい時期に多く、1月〜9月下旬まで続くこともあり中でも春先や春には「アオーン」と鳴く猫が増えます。
去勢していても鳴いて困る場合は、動物病院でホルモン注射を行うことができるケースもありますが、効果が確実に出ると言い切れないのがデメリットです。
夜に限ってアオーンと鳴く時は認知症の疑い
日中は鳴かないのに、夜に限って「アオーン」と鳴く時は認知症の可能性があります。
猫の認知症は昼夜逆転しやすいので、高齢の猫で夜限定で激しくなく場合は注意しましょう。
なお、猫の認知症に多くみられる症状は以下通りです。
- 食の好き嫌いが多くなる
- 食の好みが変わる
- 粗相が増える
- 鳴く声が大きくなる
- 徘徊するようになる
- 食べても食べ物を要求する
- 飼い主の呼びかけに反応しない
- 噛んだり噛むようになる
認知症を治すことはできませんが、老猫で上記のような症状が見られる場合は念の為獣医師に相談すると良いでしょう。
急によく鳴くようになったら病気の可能性
愛猫が急によく鳴くようになったら、体に不快感や痛み、またはそれらに伴う不安が生じていることがあります。
急によく鳴くようになる以外にも、別の症状がある場合は早めに動物病院で検査することをおすすめします。
どんな病気であっても早期発見・早期治療が大切です。
なお、何かしらの病気を発症していなくても怪我をしていたり、老衰に伴う体の変化や衰えが原因で不安が生じて鳴き続けることもあります。
クゥー・クルルと鳴く時は甘えている
猫がクゥー・クルルと鳴く時は、飼い主さんに甘えている可能性が高いでしょう。
撫でている時や膝の上に乗っている時に、「クゥー・クルル」というような声で鳴く時は特に甘えている可能性が高いので、できる限り撫でてあげたり一緒に時間を過ごして愛猫との時間を充実させることをおすすめします。
猫は一般的に犬と違って自立した精神を持ち合わせていると言われており、ご飯の時や飼い主さんに要求がある時だけ近づいてくる猫も多いのが特徴です。
しかし、猫の種類や個体差によって犬のように甘えん坊の猫も多いので、猫の様子を見ながら一緒に過ごす時間を調整してあげると良いでしょう。
ゴロゴロと喉を鳴らす時は気持ちがいい
顎下や背中、首など猫によって撫でられて気持ちが良い部位には個体差がありますが、猫を撫でているときに「ゴロゴロ」と目を細くして鳴くケースは気持ちが良い時です。
猫によっては触られて嬉しい部位と触られたくない部位があるので、愛猫の撫でられて嬉しいポイントをおさえておくと良いでしょう。
なお、一般的に猫がゴロゴロと喉を鳴らして気持ち良い姿を見せる部位は、顎下、尻尾に近い背中部分、首です。
シャーと鳴く時は怒っている
猫が牙を剥き出すようにして「シャー」と息を強く吐くように鳴く場合は、怒っている可能性が非常に高いので気をつけましょう。
猫によって異なるものの、一般的に犬と比較すると猫の方が一人でいることを好む傾向にあり、飼い主さんが構いすぎるとストレスになることがあります。
その他、触られたくない場所を触ってしまったときや、気が合わない同居猫に対して「シャー」と鳴くことがあります。
猫のしっぽの付け根や腹部、肉球は急所なので、猫が嫌がる場合は極力触らないことをおすすめします。
クククッと鳴く時は極度の興奮状態
猫がクククッと鳴くときは何かしらの理由で興奮していたり、一緒に遊びたいときです。
「クククッ」と鳴く理由には、他にも母猫が子猫を呼ぶときに使用したりと様々ですので、愛猫の様子を見ながらどのような感情を抱いているのか判断してあげることが大切です。
なお、この鳴き方はクラッキングと呼ばれ、猫が獲物を捉える前に興奮状態に陥って発せられることが多いのが特徴です。
室内飼育になった現代の猫においても、野生猫の本質が残されていて部屋の中に入ってきた虫を捕まえる前にも鳴きます。
その他、排便後に気持ちよさや開放感から「クククッ」と鳴いて、部屋中走り回る猫も少なくありません。
猫が鳴く場合の5つの解決方法
ここでは、愛猫が鳴いて悩んでいる飼い主さんのために有効的な5つの解決方法について紹介します。
しかし、人が言葉を話すよう猫も鳴く生き物なので、ある程度は鳴かせてあげるようにしましょう。
ストレスを解消してあげる
猫にストレスがある場合は、ストレスが解消できるよう対策を立ててあげましょう。
特に「アオーン」と猫が鳴く場合は、ストレスが生じている可能性があるので、運動量とコミュニケーションが足りているか、または運動量とコミュニケーションが多すぎないか確認しましょう。
猫のストレス要因の多くは、上記のような運動に関わる要因の他、飼い主さんが構いすぎていたりコミュニケーションが足りていないケースもあります。
私の家で飼っている猫3匹も、それぞれ性格や適したコミュニケーション時間が大きく異なりますが、愛猫の性格に合わせて接し方を変えてあげることがポイントです。
運動不足対策をしてあげる
なお、猫は広いスペースで走り回るというよりも、高さのあるキャットタワーでの運動を好む傾向にあります。
猫じゃらしを中心とした猫用おもちゃの場合、運動量を確保できるだけでなく、獲物を捕獲する習性のある猫の満足感を得るのにも役立ちます。
その他、飼い主さんとのコミュニケーションもストレス対策に有効です。
病気の可能性がある時は獣医師に相談する
当たり前のことですが、猫が急に鳴くようになって病気の可能性がある場合は早めに獣医師に相談しましょう。
老猫は特に注意が必要ですが、成猫でも病気リスクがないわけではありませんので、鳴く以外の症状がないか確認が必要です。
年齢 | ライフステージ |
生後〜6カ月齢程度 | 子猫期 |
6ヶ月〜1歳程度 | 若猫期 |
2才〜6歳程度 | 成猫期 |
7歳以降 | 老猫期 |
なお、鳴く以外で注意したい症状は、以下通りです。
- 元気がない
- ぐったりとしている
- 普段よりよく寝る
- 粗相の頻度が増えた
- 下痢や軟便が多い
- 食欲が低下している
- 食欲が過剰にある
- 人気のない場所で隠れる
しっかりとコミュニケーションをとる
猫によって飼い主さんとのコミュニケーションの適切な時間は大きく異なりますが、アメリカンカールやバーミーズ、ラグドールを中心に甘えん坊の猫種も多くいます。
このような猫については、猫が近づいてきたらしっかりとコミュニケーションを取るようにしてあげましょう。
なお、甘えん坊な性格の子が多い猫の種類一例は以下通りです。
- アメリカンカール
- バーミーズ
- ペルシャ
- ラグドール
- エキゾチックショートヘア
- メインクーン
- ブリティッシュショートヘア
落ち着く生活環境を整えてあげる
愛猫が過剰に鳴く場合や引っ越しなど猫に環境の変化が生じた場合は、特に注意して猫が落ち着くような生活環境を整えてあげるようにしましょう。
快適な寝床や一人で静かに寛ぐことができるような空間作りが有効です。
猫が鳴く時に活用できるおすすめグッズ
ここでは、猫が鳴く時に活用できるおすすめグッズを紹介します。
ストレス対策をして鳴く頻度を減らす|キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン2
ストレスが多くて鳴いてしまう猫におすすめなのが、自動猫じゃらしのキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン2です。
愛猫も使っていますが、個々の猫に合わせてパターンの速度設定が4段階あったり、自動でオフになる機能がついているなど、猫に優しい商品です。
また、羽の取り替えもできるので、長く使用できるのがおすすめポイントなのではないでしょうか。
我が家の愛猫たちは、キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン2を私が出すと群がってきて、みんなで楽しそうに遊びます。
運動量が足りなくて鳴く猫におすすめ|FEANDREAのキャットタワー
運動量が足りなくて鳴いてしまう猫の場合は、段差や登る部分が多いキャットタワーがおすすめです。
FEANDREAのキャットタワーは、キャットタワーの所々に猫が楽しめるボンボンがついているので運動量やストレス対策に有効です。
その他、2つの台座が設置されており、猫の寝心地を配慮したふわふわ素材の高台がポイント。
リラックスしてお昼寝することができるよう配慮されており、猫が好きなハンモックも設置されている安定感抜群のキャットタワーです。
認知症で鳴く場合におすすめ|Amazon限定ブランド老猫用サプリメント
猫の認知症は治るものではありませんが、進行を遅らせたり脳の健康維持のためにおすすめなのがオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)サプリメントです。
認知症で大きな声で夜鳴く猫の場合は、進行を遅らせるためにサプリメントを試してみるのも良いのではないでしょうか。
なお、老猫用サプリメントには、オメガ3脂肪酸以外に猫の健康維持が期待できるフェルラ酸やイチョウ葉エキス、ビタミンE、ビタミンB12も配合されています。
猫が鳴く時に注意したいこと
猫が鳴く時に注意したいのは、過剰に大きな声で鳴くときや鳴く以外にも体や行動に何かしらの症状がある時です。
また、猫が鳴くのには必ず理由があるので、決して怒らないようにしましょう。
叫ぶように大きな声で鳴く時は要注意!
泣き続けるのではなく、一瞬叫ぶように大きな声で鳴くような時は注意が必要です。
時間帯や体の動かし方などによって、体に痛みが生じていることがあるので、繰り返す場合は獣医師に相談しましょう。
また、抱えた時に「ニャ!ギャ!」と鳴く時は四肢や関節に痛みがあったり、怪我をしていることもあります。
一緒に生活していても気づいにくいこともあるので、日々観察して体に異変がないか確認しましょう。
鳴くのには理由があるので決して怒らない
紹介させていただいた通り、猫が鳴くのには必ず理由があり、理由に合わせた対処法が必要です。
鳴くからと言って無闇矢鱈に怒らず、なぜ猫を注意深く観察してなぜ鳴いているのか、どうすれば鳴かなくなるのか考えてあげましょう。
また、前提として猫は本来鳴くことがある生き物であるということも理解してあげて、病気や老衰による体の変化が原因となっている場合は、根本的な体の痛みや不快感をとってあげる治療が必要です。
猫が鳴くのには様々な理由がある
今回は、猫の鳴き声の特徴別に考えられる理由を幅広く紹介しました。
猫は基本的に人が話すのと同じように鳴く生き物ですが、普段鳴かない猫が急に鳴くようになったり鳴く頻度が多くなったようなケースでは注意が必要です。
日頃から愛猫の様子をしっかりと観察して、愛猫の心理や異常にいち早く気づいてあげられるようにしましょう。
猫の鳴き声や鳴くタイミング | その時の心理や異常 |
アオーン | 不満がある、または発情中 |
アオーン(夜限定で鳴く場合) | 認知症の疑いあり |
普段鳴かない猫が急に鳴くようになった | 病気や怪我をしている疑いあり |
クゥー・クルル | 甘えている可能性が高い |
ゴロゴロと喉を鳴らす | 嬉しい、気持ち良い |
シャー | 怒っている可能性が高い |
クククッと鳴く | 興奮時や排便後 |
猫が鳴く場合の解決策は以下のとおりです。
- ストレスを解消してあげる
- 運動不足対策をしてあげる
- 病気の可能性がある時は獣医師に相談する
- しっかりとコミュニケーションをとる
- 落ち着く生活環境を整えてあげる