トリミングの頻度について、悩んでいる飼い主さんは多いことでしょう。
トリミングは見た目の清潔感を保つだけでなく、愛犬の健康を維持する上で欠かせないことの1つです。
犬種によって毛質や毛量が異なるだけでなく、同じ犬種でも毛の個体差があります。
しかし、犬種の特徴や毛質などを知ることでトリミングの頻度を決めることが可能です。
今回は、トリミングを行う理由や頻度を決める時の注意ポイント、犬種毎のトリミングの頻度について、ドッグヘルスアドバイザーが詳しく紹介していきます。
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犬にトリミングを行う理由
犬のトリミングとは、専用の道具を使用して犬の毛をきれいに整えることです。
また、トリミングとは別に「グルーミング」というものがあります。
【グルーミングの内容】
- シャンプー
- ブラッシング
- 肛門線絞り
- 爪切り
- 耳の掃除など
上記のようなケア全般を「グルーミング」と言います。
一般的には、トリミングサロンで「トリミング」をしてもらう場合はグルーミングもしてもらえるケースが多いです。
トリミングは愛犬の健康を守るために必要
多くのトリミングサロンでは、シャンプー・カット以外にも肛門線絞りなどのグルーミングもしてくれたり、オプションとして付けることができるケースが多いです。
肛門線絞りは、全ての犬がしなければいけないことではありません。
本来は、肛門線にある分泌物も便をするタイミングで排出されますが、肛門周辺の筋力が問題で排出できないケースもあります。
【肛門線絞りを行う必要がある犬の特徴】
- 筋力が低下しているシニア犬
- 筋力が少ない小型犬など
上記の特徴以外にも肛門線絞りが必要な場合もあるため、可能であればトリミングの時に合わせて肛門線絞りも行ってもらいましょう。
日常生活を快適に過ごすためにトリミングをしましょう
トリミングは犬種問わず、日々の生活を快適に過ごすためには欠かせません。
特に暑さの厳しい季節は、毛が長いと蒸れて熱中症のリスクが高くなってしまいます。
しかし、逆に短くカットしすぎてしまうと皮膚が紫外線によりダメージを受けてしまう恐れがあるため、適切な毛の長さを維持することが大切です。
他にも、足裏の毛をカットしないと滑って日々の生活でケガをする危険性があるため、トリミングはケガの予防にも効果が期待できます。
毛の長い犬種は、目の周りの毛がかかってしまうなどの理由で日常生活に支障をきたしてしまうため、特にトリミングの頻度には注意しましょう。
トリミングで見た目が綺麗・身体を清潔に
トリミングを行うことで愛犬の被毛や皮膚を清潔に保ち、見た目も綺麗にすることができます。
お腹の状態が悪く便がゆるい場合は肛門周りの毛に便が付着してしまったり、散歩中にガンコな汚れが付いてしまうと簡単には汚れを落とせません。
トリミングを行うことで、汚れた毛が付着した毛をカットすることが可能です。
特に愛犬と一緒に寝る飼い主さんは、愛犬が清潔じゃない場合は寝具の洗濯をこまめに行わなければいけなくなるため、定期的にトリミングを行いましょう。
トリミングで皮膚病などの早期発見・予防
トリミングを行うことで、日常生活では見つけることが難しい皮膚トラブル、ダニやノミなどを見つけることが可能です。
また、皮膚トラブルなどの早期発見だけでなく定期的にトリミングを行うことで、皮膚や被毛に関するトラブルを予防する効果も期待できます。
犬の皮膚病は、一度発症すると完治まで時間がかかるケースが多く、1つの皮膚病が原因で他の皮膚トラブルを引き起こす恐れもあるため、家でも愛犬の皮膚に異常がないかを定期的にチェックしましょう。
トリミング料金の目安
トリミングの料金はトリミングサロンによって異なるため、詳しい料金が気になる飼い主さんはお近くのトリミングサロンへお問い合わせください。
【トリミングサロンの平均的な料金】
犬の大きさ | トリミング料金 | シャンプー料金 |
小型犬 | 5,000円〜10,000円 | 4,000円〜8,000円 |
中型犬 | 6,000円〜13,000円 | 5,500円〜10,000円 |
大型犬 | 8,000円〜21,000円 | 7,000円〜17,000円 |
多くのトリミングサロンはカットを行うことで料金が高くなりますが、シャンプーなどのグルーミングだけであれば料金を抑えることができます。
愛犬が頻繁にカットをする必要のない犬種な場合は、グルーミングだけの料金も把握しておきましょう。
犬のトリミング頻度を決める時の注意ポイント
愛犬のトリミングの頻度を決める時の注意ポイントをご紹介します。
注意ポイントを守らないと、愛犬の健康トラブルを引き起こす原因となる恐れも。
また、トリミングでは身体を長い時間触られるだけでなく同じ場所にいなければいけないため、出来るだけ早い時期から「同じ場所で落ち着いていられる」「身体を触られても問題ない」ように犬の社会化を行いましょう。
愛犬の体調に合わせたトリミング頻度
トリミングの頻度を決める上で、最も優勢しなければいけないことは愛犬の健康状態です。
「〇〇日経過したから、無理矢理でもトリミングに連れて行かないといけない」など、愛犬の体調を考慮せずにトリミングに連れて行ってしまうと、体調不良を悪化させる危険性があります。
愛犬の体調でチェックすべきポイント
- 食欲が落ちている
- ぐったりしている
- 寝ている時間が多い
- 散歩に行きたがらないなど
上記のポイント以外にも、愛犬の様子がいつもとは違うと感じた時は無理にトリミングに連れて行かないようにしましょう。
愛犬の体調が悪化する前に、トリミングのキャンセルと合わせて、動物病院への連絡もすると良いでしょう。
特にシニア犬は、成犬の時期に比べて体力が落ちていることが多いため、細心の注意を払ってください。
トリミングサロン選びのコツ:愛犬とトリマーさんとの相性が大切
現在では多くのトリミングサロンがあるため、愛犬に合った良いトリミングサロンを見つけるのも一苦労でしょう。
愛犬に合ったトリミングサロンを見つけるためには、犬の事を第一に考え愛犬との相性が良いトリマーさんがいるトリミングサロンを選んでください。
相性が悪いと愛犬に大きなストレスがかかり、健康トラブルを引き起こす恐れもあるため、下記のポイントに当てまったり、飼い主さんが信頼できると感じるトリミングサロンを探しましょう。
【良いトリミングサロンを選ぶポイント(一例)】
- 飼い主さんとのコミュニケーションが丁寧
- 愛犬の体調を気遣ってくれる
- トリミング中の愛犬の様子を報告してくれるなど
トリミングが終わった後の愛犬の様子などから、愛犬に合ったトリミングサロンなのかを判断しましょう。
トリミングの頻度を犬種毎に解説!
犬種毎にトリミングを行う頻度の目安を解説します。
犬種によってシングルコート・ダブルコートという被毛に分けられます。
【シングルコート】
「オーバーコート」という、皮膚を守る効果がある被毛だけが生えている犬種。
【ダブルコート】
オーバーコートに加えて、「アンダーコート」という保温や保湿などの効果がある被毛も生えている犬種。
ダブルコートの犬種は、「換毛期」になるとアンダーコートが抜けるため抜け毛が多くなります。
ブラッシングなどをせず抜け毛を放置すると、衛生面での問題が起きたり皮膚トラブルを引き起こす危険性があるため、愛犬がダブルコートの場合はトリミングの頻度に注意が必要です。
また、同じ犬種でも個体差によって毛の質や毛量、毛が伸びるスピードなどが異なります。
紹介する頻度はあくまでも目安として、愛犬に合った頻度でトリミングを行ってください。
【トリミング前にしておくとよいポイント】
- イメージしているカットスタイルの写真などを準備する
- ブラッシング
- 簡単に取れる汚れを取る
- 愛犬の特徴をすぐに伝えられるようにするなど
上記のことをトリミング前にしておくことで、スムーズにトリミングを進めることができるため愛犬の負担を減らせます。
トイプードルは30日に一度の頻度でトリミングするのがおすすめ
トイプードルは、カールした被毛と抜け毛が少ないのが特徴的なシングルコートの犬種です。
30日で伸びる毛の長さは約1センチ〜2センチ程度と言われているため、定期的にトリミングを行わないと毛が目にかかって日常生活に支障が出てしまいます。
トイプードルのミックス犬である「マルプー」なども、トイプードルの特徴が多く見られる場合は30日に一度のトリミングが良いでしょう。
ポメラニアンは30日に一度の頻度でトリミングするのがおすすめ
ポメラニアンは、ふわふわとした被毛が特徴的なダブルコートの犬種です。
ポメラニアンは季節によっては抜け毛が多くなるため、こまめにブラッシングを行う必要があります。
しかし、カットの頻度には注意が必要です。
ポメラニアンは毛の伸びるスピードが遅い犬種なため、カットを行う場合はむやみに切りすぎないようにしましょう。
短くカットしすぎると、体調調節に異常が出てしまったり紫外線からのダメージを受けやすくなってしまいます。
チワワは30日〜60日に一度の頻度でトリミングするのがおすすめ
チワワには、毛の短いスムースと毛の長いロングコートがいます。
ロングコートのチワワは、ダブルコートなため生え変わりの時期には抜け毛が多くなります。
毛が長いため、毛玉などもできやすく皮膚トラブルを引き起こしやすいため、30日に一度のトリミングが良いでしょう。
スムース・ロングコート関係なく、足裏の毛が長い状態だとケガをする危険性があるため、日頃から愛犬の足裏の毛をチェックするとトリミングの頻度を決める参考になります。
チワワのミックス犬である「チワマル」などは、親のチワワがスムースかロングか、もう一方の犬種がシングルコートがダブルコートかを参考にトリミングの頻度を決めてください。
ミニチュア・ダックスフンドは30日に一度の頻度でトリミングするのがおすすめ
ミニチュア・ダックスフンドは、ダブルコートの犬種です。
胴の長さが特徴の犬種なため足裏の毛をカットが重要になり、足裏の毛をカットしないと滑って足腰への負担が大きくなったり転んでしまう危険性があります。
また、垂れた耳が特徴の犬種なため、毛量が多いと耳の内部が蒸れやすくなるため、愛犬の耳の健康状態のチェックをしてトリミングの頻度を決める参考にしてください。
ミニチュア・シュナウザーは60日〜90日に一度の頻度でトリミングするのがおすすめ
ミニチュア・シュナウザーは毛量が多いのが特徴の犬種なため、他の犬種と比べるとトリミングの頻度は少ないケースが多いです。
しかし、足裏や肛門周りの毛はカットしないと日常生活に支障をきたしたり、衛生面的に問題がでてきます。
目の周りの毛も伸びすぎると日常生活に支障が出てしまうため、愛犬の毛が生えるスピードに合わせてトリミングを行う頻度を決めましょう。
トリミングの頻度は愛犬を観察して決めよう!
今回は、トリミングを行う理由や頻度を決める時の注意ポイント、犬種毎のトリミングの頻度について、ドッグヘルスアドバイザーが詳しく紹介しました。
トリミングは、犬種問わず全ての犬の健康維持に欠かせないことですので、適切な頻度で行いましょう。
同じ犬種でも個体差によって毛質などが異なるため、愛犬に合った頻度でトリミングを行ってください。
なおPETPIAでは、トリミング以外で毛並みや毛艶に影響するペットフードについても詳しく紹介しているため、気になる飼い主さんは【ペットフードカテゴリー】をご確認ください。
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